冬真っ只中の2月、厳冬期の北アルプスの景色が見たくて冬の唐松岳登山に挑戦してきました。日帰りで行くことができ、真っ白に雪化粧された五竜岳や白馬岳、立山連峰といった圧巻の景色を近くで見ることができます。
そうは言っても厳冬期の北アルプス。やはり登るとなるとそれなりに緊張します。今回は3日間長野を観光する傍ら登ることにしたためソロ登山です。下調べはきっちりしてきたのですが、それでも少し不安は残ります。先月伊吹山で雪山講習を受けた成果をここで活かすんだ!
⇩伊吹山での雪山講習はこちらから!
まずはスキー場を通る
冬季に唐松岳を登る場合、まずは八方尾根スキー場のゴンドラ乗り場からゴンドラに乗ることになります。この日は天気予報が良かったこともあってたくさんの人が並んでいます。これは予想以上の人の数だ…。
これ、手すりだよな…?
この辺りは真っ平だったのだが、もしかして夏場は階段があるのでしょうか。
並んでいる間、たまたま横にいた方とおしゃべりをしながら過ごしました。お互いソロ登山であり、これまで登ってきた山の話など。唐松岳のソロ登山ちょっと不安だったからしゃべっているだけでなんだかとても心強い。
8時になりようやくゴンドラが動き出しました。この日は風の影響もほとんどなく、無事にゴンドラとリフト共に動いていました。強風の日はゴンドラ、又はリフトが動かない日もあるのだそう。冬の唐松岳に登ろうと思うとある程度運も必要になる…?
ゴンドラに乗ってグングン登っていきます。こういうタイプだと乗っている途中で体が冷え切っちゃうということもないから安心ですね。スキー場のリフトに乗っている瞬間が一番寒いんですよね〜。
ゴンドラに乗り終えたら次はリフト。これに乗って上まで行けばいよいよ登山開始です。穏やかな天気で人がたくさん来ており、リフト乗り場までも長い行列ができています。
案外行列に並んでいる時間は少なく、すぐにリフトに乗ることができました。リフトは楽ちんなのですが、やはりじっとしているから寒い…。
いよいよ登り始める
さあ、唐松岳のスタート地点に辿り着きました!いよいよ登山開始です。遠くを見るとすでにたくさんの人が登っていってますね。
ゴンドラに乗ってここに辿り着くまでに実は1時間ほどかかっています。この時ちょうど9時だったのですが、どれだけ早く来てもこれくらいの時間になるため、決して遅い時間ではありません。冬の唐松岳に日帰り登山をする場合、「早くても9時スタートになる」と思っておく方が良いでしょう。
登山開始直後、振り返るといきなりこの絶景です!この時はよく晴れて景色も開けていたので遠くまで見えました。
しばらく登っていくと左手に見えたのは五竜岳。生で見たのは初めてだったのですが、圧倒的な存在感です。この景色が目の前で見られるのは冬の唐松岳ならでは。登り初めて20分ほどでこの景色が見られるのです!
さらに登っていくと今度は目の前に白馬三山が!こちらも圧巻の景色です。
写真左の山が凹んでいるところが不帰ノ嶮でしょうか?
どこを見渡しても絶景ばかりで写真を撮る手が止まりません。
登り始めて約40分。八方池が見えるポイントまでやってきました。真ん中の真っ白な雪面が広がっている場所が八方池なのですが、冬季はこのように池は完全に雪の下です。
八方池ケルン。その先にも登山者が続々と歩いていってます。
途中バックカントリーをされている方がいて、偶然滑り出しの瞬間を見ることができました。華麗に滑っていく姿が本当に格好良かったです。そもそもスキーをちゃんと滑れないので華麗に滑れる人が羨ましい…。
唐松岳はそれなりに強風が吹くこともよくあります。
場所によってはかなりの強風が吹く場所もあります。地形の問題で風の通り道になる場所があるようで、そこに差し掛かると結構寒いです。顔が痛い!
ハイマツが横たわっている場所も。このハイマツの倒れ具合が厳しい環境を物語っています。
途中写真を撮る余裕がない場所もあったのですが樹林帯や急登、強風、岩場エリアを超えていき、3時間弱でようやく唐松岳頂上山荘までやってきました。この場所から見る立山連峰の存在感はとんでもないものでした。一番奥に見えるのは剱岳。これが見たかった!
(※冬はここの小屋は営業していません。)
厳冬期の剱岳。人を寄せ付けない、荘厳な姿をしています。
頂上山荘から山頂までは15分ほど。山頂を目指して歩き始めると間も無く雲がかかってきて立山連峰の姿は見えなくなってしまいました。山頂は残念ながらガスでなにも見えませんでしたが、剱岳を一目見られただけでも大満足です。
山頂に着いたらさっさと下山。流石に標高が2,600mを超えていると少し止まっているだけで恐ろしく寒いです。山頂の気温が-12℃ほどでした。
雲がかかっていたのは山頂方面だけで、下山を始めると再び景色が景色がよく見えます。下山を始めたのが12時半ごろ。リフトの最終時間までは3時間ほどありました。3時間あれば時間に余裕を持って下山することができそうです。
強風なだけあってシュカブラも見事なものです。下山中はシュカブラの写真を撮るのに夢中になっていました。
下山中に気づいたのですが、カメラのレンズフードを落としてしまいました。ごちゃごちゃした状態でカメラをPeak DesignのキャプチャーV3に付けたり外したりを繰り返しているうちにレンズフードだけが取れてしまったようです。いつ落としたかも分からず、取りに戻る余裕もなかったため今回は泣く泣く諦めました。また買い足さなきゃ…。
落とし物をしてしまいましたが、14時半に無事登山口まで戻ってくることができました。登山開始からちょうど5時間半というところでしょうか。
下山後は近くの「みみずくの湯」という温泉で疲れを癒します。白馬エリアというだけあってこの温泉もものすごい雪でした。
この後は長野市に移動し、たくさんカロリーを消費したということで肉三昧の夕食にしました。登山後はたくさん食べなくては!
初の厳冬期北アルプス、最高の一言!
初めて冬の北アルプスに挑みましたが、期待以上の絶景を見せてくれました。気温が低く風も強いので決して楽に行ける場所ではありませんが、人を惹きつける景色が確かにそこにはありました。今回はリフト最終時刻時刻15:30の1時間ほど前にリフト乗り場まで戻ってくることができました。急いで登ったわけではないので、スタートがあまり遅くならなければ十分日帰りで登ることができそうです。
北アルプスの他の山にも挑戦してみたいですが、冬は難易度がかなり上がってしまうので自分の実力と相談しながらですね。
【登山日】 2022年2月12日 【山行】 9:00 八方池山荘(登山口) 9:35 八方池 11:45 唐松岳頂上山荘 12:00 唐松岳山頂 14:10 八方池 14:30 八方池山荘(登山口)